シャネル(CHANEL)の2025年秋冬コレクションが発表された。
シャネル 2025年秋冬コレクション - 相反するものが軽やかに戯れる“想像力の世界” 58 389 リンクをコピー シャネル (CHANEL)の2025年秋冬コレクションが発表された。 相反するものが軽やかに可能となる場 今季のシャネルが繰り広げるのは、夢やおとぎ話を彷彿とさせる、豊かな想像力の世界。架空の中では、人が宙を飛び、動物が人の言葉を話すというように、見知った現実は軽やかに覆される。あたかも想像力の自在さを体現するようにして、シャネルは互いに相反する要素を戯れるのだ。 想像力の世界の軽快さを彷彿とさせるのが、コレクションのなかでふんだんに使用されたシアー素材だろう。ドレスやスカートに透け感のあるチュールを採用するばかりでなく、シャネルを象徴するツイードのノーカラージャケットやスカート、ワークジャケットなどにシアー素材を重ねることで、架空の中を漂うような、柔らかな軽さを演出している。 単にシアー素材が軽快さを醸しだすばかりではない。見た目に重さのあるツイードのジャケットやスカートに軽やかなヴェールをかけることで、素材感のコントラストを引き出すばかりでなく、ミニスカートにはロング丈のチュールを重ね、シルエットのバランスに揺らめくような効果を導き入れる。さらに、デニムから徐々にシアー素材へ移り変わるシャツやパンツなど、相反する要素が互いに戯れあうように同居しているといえる。 広告 相反する要素が、戯れあいつつも目の前に現れるのは、これが想像力の世界であるからだ。そこでは時として、ある物の実態と見た目もまた、互いにずれゆくに違いない。騙し絵的な効果をもたらす、トロンプルイユがその例だ。彩り豊かなツイードのノーカラージャケットやノースリーブジャケット、スカートは、それぞれ同じ素材を使い、ポケットといったディテールも統一することで、あたかも1着のワンピースであるかのような錯覚をもたらす。身体を締め付けないストレートなシルエットもまた、ジャケットからスケートへ、ひと繋がりに伸びるラインを強調しているといえるだろう。 このようにトロンプルイユは、見慣れたものが「見慣れた」ものであることを最大限に活かして、その見た目を軽快に戯れるものだといえる...